デバイド抵抗と毛羽伏せ ~設備アプローチ~

デバイド抵抗と毛羽伏せには密接な関係があり、デバイド抵抗が高いと基本的には毛羽立ちも多くなる傾向にある。

一斉サイジングの特徴として経糸すべてを同時に糊付けしていくため、非常に生産性が高い。
しかしその反面、経糸同士がくっついてしまうのはどうしても避けることができない現象となっている。

くっついたままでは製織することができないため、糊付け乾燥後にビームごとに分割棒(デバイドロッド)を入れて糸同士を引き離す必要がある。
分割するときに生じる抵抗がデバイド抵抗と言われるものになる。

糸同士を引き剥がすので、抵抗が大きいほど表面の糊を剥がし、伏せられた毛羽を再度立たせてしまうことになる。
よって、どのようにこの分割抵抗を下げるのかは準備工程にとっての課題である。

と、いってもアプローチの方法は少なく、基本的には糊の配合と設備的な問題に集約されると思われる。

今回は設備からのアプローチについて集中的に考察する。

糸同士を引き剥がすということは、糊が付着し、乾くときにお互いの距離が近いほど強固にくっつくはずである。
つまり、乾燥させる時の糸同士の距離を物理的に離すほどデバイド抵抗は減るという考え方で間違いないと考えられる。
ただ限度もあり、ある程度以上は効果が薄くなる。
単純に物体同士の接着距離が1mmから2mmに変わると大きな効果があると思うが、
これが2mmから10mm、10mmから10cmになったとしてもそう変わりなさそうなのはイメージできると思う。
そのため、オープンスペースでは最低50%、可能なら60%以上あれば最適な糊付けの環境になると考えられる。

そのため設備の横幅、使用する荒巻ビームの幅は大きければ大きいほど良いとも言える。
極端に大きすぎると、糸のローリングが起こってしまう可能性が出るし、燃費などのランニングコストも悪くなってしまうが。
これをカバーするにはサイズボックスは複数個あるのが望ましく、サイズボックスの個数を抑えようとするなら、
サイズボックス後に分割乾燥できるものが幅広く対応できる。
例えば、サイズボックスが2個あれば上記の糸本数は半分になり、糊を絞る時と乾燥する時のオープンスペースは半分になる。
分割乾燥できれば上記の糸本数は半分になり、乾燥時のオープンスペースは半分になる。

よってサイジングのデバイド抵抗を下げる設備的なアプローチは
このオープンスペースを織物毎に管理し、自社設備ではオープンスペースの基準を割りそうな織物を依頼されたときは、
糊のアプローチを行うか、他社に依頼すべきだと思われる。
糊のアプローチといっても粘度低めで濃度高めの糊にするようにするしか今の所思いつかないが、その場合採算が取れない可能性はある。