配合糊の材料 ~PVA~② 一般的性質

一般的な性質について

①水溶性

水によく溶け、水温の上昇にしたがって溶解度は高くなり、溶解すれば糊液となる。水以外の溶媒にはほとんど溶けない。

②粘度

比較的低粘度。ただ、加熱時間や放置時間による変化がほとんどないのが特徴。
さらに水分が蒸発しても水を加え再溶解すると、元のものとほとんど同一の状態になる。

③皮膜性

PVAは透明なフィルムを作りやすく、その引張強度、引き裂き強度、耐摩擦、耐屈曲強度などの特性は抜きんでいる。
正直、PVAだけあればいいんじゃない?と思えるような数値だが、前述の粘度の問題、デバイドの問題などもあるため様々なものが配合されている。

④吸湿性

吸湿性は比較的低いため、アクリル糊で吸湿性を高めたものが一緒に配合されていたりすることがある。

⑤熱処理と溶解性

PVAのフィルムを高温で乾燥すると温度が高ければ高いほど結晶化が進み、溶解しにくくなる。
このことは糊抜き性が困難になることになり、必要以上に熱をあげないようにする必要がある。
一般には100~140℃では加熱時間が長くならない限り、外観の変化はないが、時間によっては水に溶けにくくなる。
このためだけではないが、糊付け後の糸の水分率を管理することが重要になってくる。

⑥水溶液の性質

安定性が非常に良い。ゲル化しても加熱すればすぐにもとに戻る。

 

TOPへ戻る