サイジング(経糸糊付け)について

なぜ経糸に糊をつけるのか

シンプルに経糸を切れなくさせるためとスパン糸の場合は毛羽を伏せるためです。

どんな糸に糊をつけるのか

短繊維(紡績糸)の場合は基本的には糊をつけます。双糸の場合はつけないものもあります。
長繊維(フィラメント糸)の場合も基本的には糊をつけます。(こちらは専門外なのであまり確証はないです)
ただし、これはあくまで大量生産という観点から見た話であり、風合いや質感を重視する場合などにあえて糊をつけない選択をするというのもあるそうです。

糸につけるのは糊でなくはいけないのか

摩擦や振動、引張などその他機械的負荷などから糸を守るものなら何でもいいです。
保護のしやすさ、技術の成熟度、コスト面から糊が選択されています。
例えばある合成樹脂で保護したとしても、振動や摩擦からは守れますが、引張、屈曲などからは守れない場合があります。伸縮性が必要なためです。
そのため、サイジング後の糸強度をから糊の良し悪しを判断される方がいますが大間違いです。

糊をつけなくていい条件はなにか

低速駆動かつ低張力ならなんとか織れなくもないかもしれません。
高速になるにつれて機械的負荷が糸にかかります。具体的には、高校の物理でならいますが、速度の二乗に比例して負荷がかかるはずです。
また、双糸の場合は、実際、糊がいらない場合があります。(細い番手だと無理な時も・・・)
これは推測ですが、単糸状態と比較するとバネ用な形状になっているため、ある程度の伸縮性があるためと考えています。
そのため、細ければ細いほど、バネのような形状からは遠ざかるため、伸縮性がなくなるため機械的負荷に耐えれなくなるのでは、と考えています。
つまり、低速駆動かつ低張力、もしくは糸自体に伸縮性があり、かつ、振動や摩擦に強く、可能なら毛羽が少ないのであれば糊はいらないということです。

サイジングの良し悪しをどうやって判断するのか

試験に出して調べ、単位時間あたりの縦切れ回数を記録し比較するのが最も適していると考えています。
ちなみに日本の配合糊メーカーを比較したところ、最もわかりやすかったのが蛭田理研の説明でした。
https://hiruta-riken.co.jp/technology/