糊の濃度・粘度ムラはなぜ起こるのか? ②

温度上昇について

糊液を作るときの温度上昇に問題がある場合があります。
上図は常圧クッカーの糊仕上げについてどの段階でどれだけ時間がかかったのかを記録するものですが、
どの段階でどれだけ時間がかかったのかを把握されてないの場合が多いです。
例えば、とりあえず高温にして1時間くらい炊いておけばいいんだよねってパターンが
最も糊のムラをつくりやすいんじゃないかなぁと思います。

なぜ把握する必要があるのか

例えば配合糊の内容物には加工でんぷんが使われているものがあります。
でんぷんは基本的に膨潤が必要で、かつ膨潤しやすい温度ものによって異なっているため、
急激に糊温度を上げすぎると十分に膨潤せずに粘度にムラが出たりします。

また、季節要因も若干ですがあります。
季節によって周囲温度が異なるため、温度の上昇の仕方も異なります。
糊炊きのタンク自体は断熱されている(ハズ)のでそこまで変わらないですが、
冬場の温度の上げ方を基準にすると夏場は温度が上がりすぎになってしまい、これもムラにつながります。

あとは製品によって準備する糊のレシピが極端に異なる場合でしょうか。
9割以上コーンスターチだけ、もしくはPVAだけのような場合だと糊の炊き方がおそらく異なっていると思います。
最適な温度上昇の仕方は異なるため、考慮しないと十分に能力を発揮できていないのかもしれません。

最適な管理法は?

攪拌しながらゆっくりと昇温する分にはどんなレシピでも問題ありません。
そのため、常にゆっくりとした温度の上昇するように蒸気圧を絞ってしまうのがいいと思います。
目安的には大体2℃/分以下くらいがいいそうです。これよりも遅い分には問題ないみたいです。

デメリットとしては糊作りに時間がかかってしまうことですが、デメリットを十分にカバーできるメリットがあると思います。