サブノズル ノズル噴射孔形状の推移
ノズル改良の経緯を簡単にまとめたものが上図になっています。
サブノズルの形状から次のように上向き角と偏向角を定義しています。
なぜ上向き角が必要なのか
上向き角がない場合、エアーの方向はリードのトンネル方向と平行になるため、エアーの搬送力が活かされづらいことがわかります。
(噴射孔から出ると拡散するので効果がないわけではないですが。)
特に初期ノズルは偏向角がないため、糸の搬送補助という面においては他のノズルと比較すると効果が薄い事がわかります。
実際にエアーを吹くと
どのノズルもエアーの圧力によって上向角と偏向角が変わることがわかります。
しかし角度比という観点からみると、テーパー型は低圧から高圧まで大きな変化がないことがわかります。
角度比が一定ということは、エアーが低圧であろうと高圧であろうと噴射方向に変化がないということになります。
このため、テーパーノズルからはわざわざサブノズル角の調整をしなくてもすむということが言えます。
テーパー孔と2孔を比較
上図は2孔とテーパー孔を0.1,0.2,0.5Mpaで吹いた結果を示したものになります。
0.5Mpaを理想方向とすると、低圧のとき2孔では角度を調整する必要があることがわかります。
しかし、テーパー孔では低圧でもほぼ同一のため、角度を調整する必要はないことがわかります。
さらなるアドバンテージ
テーパー孔の方が2孔のノズルと比較して同じノズル圧力でも風圧が高く、空気流量は同等という結果が出ています。
つまり、空気圧を抑えれることになり、コストの差として大きなものになってきます。
職人の感という幻想を打ち砕け!
サブノズルの特性を知らないと、職人の感という適当なものに振り回されることになります。
また見当違いな部分のせいにされ、生産性が落ちることもあります。
効率よく、低コストで織るために必要なものは感ではなく知識であるということのよい例だと思います。