スプライサーによる弊害

経糸の準備をしているとどうしても糸が少しだけコーンに残ります。

残糸縮小.jpg

手芸用に使うなら十分な量かもしれませんが、緯糸としてエアジェット織機で再利用しようとした場合、糸の補充頻度が高すぎるため使い物になりません。
そこでエアスプライサーと呼ばれる機械を使用して大きく一つに巻き直します。

スプライスとは?

つなげる糸同士の端の撚りを圧縮空気により解撚します。そしてその部分を再度圧縮空気により撚糸することで、
結び目のない糸ができあがる工程のことです。
 

スプライサーがかかえる問題

ただ、このスプライスにも弱点があり、単糸には有効なのですが、双糸の場合はうまく解撚、再撚ができません。
撚糸は撚り合わせる方向が決まっています。S撚り、もしくはZ撚りと決まっており、ランダムにSとZが入り乱れることはありません、というかできません。
双糸の場合、単糸がZ撚り、双糸にするときはS撚りの糸の場合、解撚方向が逆のため強度は著しく落ちますし、見た目も綺麗になりません。
強度を確保するために、無理やり撚糸するとその部分だけ節ができます。そこまでしても強度は元の半分程度しかありません。

とはいえ、捨てるわけにもいかないので、この双糸の残糸を緯糸として再利用する場合は正規品と混ぜながら緯糸入れをしていきます。
そうすることで、だいぶ目立たなくなります。
が、品質に厳しいところだとそこがクレームになって帰ってくることがあるので気をつけなければなりませんが・・・

経糸には使えるか?

絶対にやめたほうがいいです。
できなくはないですが、製織する際に経糸切れが頻発しめちゃくちゃ苦労します。(経験あり)
わりとこのスプライスの問題を知らずにいる人が歴が長くても多いので、双糸を使う場合は注意したほうがいいです。

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