エアジェット織機 欠点の詳細解説②

付帯設備が必要

エアジェット織機は圧縮空気を使って緯糸を飛ばします。
なので、圧縮空気を作る必要があります。
この圧縮空気を作って送るまでの付帯設備費用が結構かかります。
後述しますが、30台規模でおそらく3000万~4000万くらいの費用がかかると思います。

大型のコンプレッサーが必要

織る織物の巾とスピードによって必要な圧縮空気の量は異なってきます。
なので、正確にどれだけのサイズのコンプレッサーが必要かは実際の所よくわかっていません。
ただ、弊社の製造の感覚的には12~15台程度で55Kwのコンプレッサーが必要な感じです。
ちなみに価格ですが55kwのコンプレッサーだと大体500~600万くらいと思ってもらえればいいと思います。

ドライヤーが必要

圧縮空気を作っただけでは実はNGです。
圧縮空気の中には水分が含まれているため、それを取り除く必要があります。
圧縮空気内の水分を取り除く機械をドライヤーと呼びます。
これも処理する能力によって金額が異なるのですが、55kwのコンプレッサーにつけるドライヤーの価格は大体100~200万くらいと思ってもらえればいいと思います。

タンクが必要

圧縮空気をためておくタンクが必要になります。
作ってすぐに使う方式だと圧力が安定しないからです。
このタンクは使用する織機の台数により容量が変化します。
30台くらいを目安にすると大体400~600万くらいと思ってもらえればいいと思います。

配管工事が必要

0から始めようとすると配管工事にかなりお金がかかると思います。
弊社は昔からエアジェット織機だったので、昔に払ったきりですが、おそらく30台規模に配管しようとした場合、
200~400万かかるのでないでしょうか?

場合によってはコンプレッサー室が必要

コンプレッサーは埃を嫌うので、設置する場所によってはコンプレッサー室が必要になります。
どの程度のものを作るかにもよるのですが、防音も兼ねると100~200万くらいはかかるのでないでしょうか?

メンテナンス費用は毎年かかる

機屋の場合、基本的には長時間稼働のため年次点検を推奨します。
一応、年次点検しなくてもできなくはないですが、エアーの品質が悪くなる可能性や機械自体の故障につながる可能性は高まります。
例えば、エアーにオイルが混ざるようになってしまうことがあります。(オイルフィルターの劣化のため)
費用は55kwクラスだと大体50万~60万くらいだっと思います。
オイルフィルター類も定期的に交換することをお勧めします。
機械にオイルが入ってしまってからでは大変なので。

それでもエアジェット織機を使う

30台規模でも付帯設備費に4000万、年間200万近くかかります。
それでもエアジェット織機を使う理由は素早く織れるからです。
ものによってはレピア織機の4倍以上の早さで織ることができます。
4倍早くものを作れるということは納期は1/4で提案でき、かかる人件費も1/4で済み、在庫も1/4で済む(かもしれない)ということになります。
大きなロットのものほどエアジェット織機を使うメリットが大きいことがわかってもらえると幸いです。

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