エアジェット織機 欠点の詳細解説①

緯糸にはスパン糸しか使えない

エアジェット織機は圧縮空気を使って緯糸を飛ばします。
そのため、糸に空気を受ける部分がないと緯糸を飛ばすことができません。

上図のようにスパン糸は糸本体から毛羽が出ており、この毛羽が空気を受け止めることで緯糸が飛びます。

余談ですが、紡績会社が異なるとこの毛羽立ち具合も違うことが多く、糸の飛び方が違ってきます。
同じ空気圧でもA社にはちょうどよく、B社には足りない、なんてこともあります。
足りない場合は毛羽が少ないということで、織物としては綺麗になるんですけどね。

逆にフィラメント糸の場合は毛羽がないため、ほとんど飛びません。
ただ、タスラン加工などを施した場合は別になります。

スパン糸の毛羽の偏り問題

圧縮空気を使って緯糸を飛ばすのですが、空気量を減らすためと糸姿勢を保つため(緯糸が途中で緩む箇所がでないように)に圧縮空気を基本先端部分のみにあてて糸を飛ばしています。

すると、糸の先端部分の毛羽だけが減少傾向になってしまう場合があります。
毛羽も空気を受けて一定の割合で吹き飛んでしまいますので。

近年ではそれを避けるために、左右で毛羽が均一になるようにサブノズル2段吹きというような空気の吹かせ方もできるようになっています。
この機能はアパレルの方メインですね。

常に掃除が必要

縦糸にも緯糸にもスパン糸を使い、かつ経糸は高速で上下し、緯糸は圧縮空気で飛んでいるため、工場はごみだらけになります。
糸から出るゴミが織り込まれることはあまりありませんが、織り終わった後のものによくついてきてしまいます。
また、機械にもごみがたまるため、故障の原因にもなります。
数時間に一度くらいは掃除を推奨します。

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