タイイング解説① 畦取り

製織するとき、経糸がなくなり、その織物を継続して織ろうとするとビーム(経糸が巻かれている大きなボビン)を交換する必要があります。
このときに新しいビームの経糸と織機にかかっている経糸を結ぶ必要があります。
実際にはマシンで結んでいくのですが、結ぶまでの準備がタイイングが綺麗に全て結べ、かつ結ぶのに要する時間が短くできるかどうかの8割以上を占めています。

畦を取る

① ドロッパーへの糸の通し方について

畦落ちがないように畦をとってください。
畦取りとは糸を織機の後ろからみて右側から順番通りにとれるようにする作業のことを指します。

この図のように経糸はドロッパーに通していくのですが、通常は順番通りに通していきます。
ドロッパー1→ドロッパー2→ドロッパー3→ドロッパー4→ドロッパー1・・・
のように通します。
このように通すことで畦が取れます。

② 畦棒を入れる


畦をとるときは1番と3番のドロッパーバーを持ち上げて、その間に畦棒を通します。

次に2番と4番のドロッパーを持ち上げてその間に畦棒を通します。

そうすると2本の畦棒には上のように糸が通っていきます。
こうなることで、必ず順番通りに糸を取ることができるという工程です。
ちなみに右の部分が畦落ちといっている部分です。
この状態だと順序通りに糸を取ることができないのでこの畦落ちが出てしまった箇所は手で結びなおす必要があります。

なぜ順番通りに糸をとる必要があるのか

糸がビームから上がってくるときに、糸同士が交差するのをなるべく防ぐためです。
糸同士が交差するとその部分で毛羽立ちます。ひどい場合は毛玉になる場合もあります。
また、ドロッパーに交差部分が来てしまうとドロッパーを押したおして機械を止めてしまい、製織不可になってしまいます。
これは高密度になればなるほど起こりやすくなります。
逆に言えば、粗密度な織物なら糸が交差してもさほどきにする必要はないため畦取りは必要ありません。

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