アパレルやる人はみんな嫌うんですよね。エアジェット織機。
しかし、その長所と欠点を知ってもらえればコストを下げることにつながるかもしれません。
長所 生産性が高い
大手アパレル以外に使用されている生地の大半はおそらくレピア織機とションヘル織機がメインだと思います。
ざっくりとですが、その生産性の違いについて述べます。
ションヘル織機・・・1分間当たりの筬打ち回数 100回程度
レピア織機・・・1分間当たりの筬打ち回数 200~300回程度
エアジェット織機・・・1分間当たりの筬打ち回数 400~1000回程度
織物の巾や使われる糸によってエアジェット織機のスピードは異なってきます。
ションヘルやレピアはほぼ変わりません。
つまり、質感や風合いにこだわりがないならコストは1/2~1/10になる可能性もあります。
短所① 緯糸はスパン糸しか使えない
圧縮空気を使って緯糸を運ぶため、毛羽がある糸しか緯糸には使えません。
短所② 付帯設備がいる
圧縮空気を使うため、大型のエアコンプレッサーが必要になります。
短所③ 生地がペーパーライクになりがち
高速で織るためには開口不良がないようにする必要があります。
そのため、ほかの織機と比較して張力は大きくかかる傾向にあります。
そうすると厚みのない、ペーパーライクな生地になりがちになってしまいます。
(対策はあります。が、限界もあります)
短所④ 糊濃度は濃い目
高速で織るために、経糸には大きなストレスがかかります。それを耐えるために糊濃度は濃い目で作られます。
短所は多いですが、それを補ってあまりあるのが生産性です。
この生産性のおかげで短納期も可能になっています。(ロットサイズの問題はおいておいて)
生地の質感の面も加工でどうにかできる場合もあったります。
どのみち糊抜きをするのは各織機変わらないので、糊を抜いた後だと案外近い質感になるものもあったりします。
(すさまじく遅い織機の場合、糊なしで織る場合もあるかもしれません。ちなみに双糸の場合は糊を使わないです)
なので、短所も多いエアジェット織機ですが生地は質感だけではない!と思われている方にはいいものである場合があります。
海外のワイシャツ用の生地は基本エアジェット織機です。
ラオスにあるワイシャツ生地を大体的に織っている機屋は旧型のエアジェット織機を500台くらい集めて、ワイシャツの生地を織り、ヨーロッパに輸出しているそうです。