新規織物の試作を行うときのコストについて ③

基本的に通常織物よりも割高

経糸が何かの定番品と共通、筬も共通なら話は変わりますが、経糸の規格が定番品と何も被らない場合は基本的には割高になります。
これを資材織物の観点から解説してみたいと思います。今回は製織編になります。

織機に載せてセットする

経通しが終わったら織機へ載せます。
その後、ドロッパーやヘルド、筬を所定の位置にセットしていきます。
何人でやるかでこのセットする時間が決まってくるのですが、大体1人でやった場合、半日~1日作業くらいになるのではないでしょうか?
載せる織機の種類によってもここの時間は異なります。
また、静止角やクロスタイミングの変更などがある場合は時間がかかります。

緯糸入れの調整を行う

織り幅や糸太さ、規格などがあまり変わらなければ時間はかかりませんが、大きく変わる場合はそれなりに時間がかかります。
基本的に組織が複雑なほど時間がかかりますし、糸が細かったり、太かったりしても時間がかかります。
弊社の場合は資材織物なので比較的単純な組織の場合が多いです。
また、回転数をなるべく高めるために織機の稼働をある程度観察している必要もあります。
これもざっくりですが、半日~1日くらいになるのではないでしょうか。

製織段階でこれだけかかる

わりとざっくり感はありますが、大体1日~2日かかります。
人件費が2000円だとすると16000円~32000円くらいになるのではないでしょうか。

結局総コストはいくらに?

シンプルに人件費や部品費、材料費だけで20万円くらいでしょうか。
しかし、ここに技術費や機械が作れたであろう製品への補償、運送費などを入れ込みたいところです。
ただ、このあたりの考え方は各社違うと思います。
弊社の場合は基本的に一律10万くらいで行っています。
毎回20万円以上かかるわけではないですし(部品や筬を使い回している)、試作を行って新しい仕事を取りに行かないと先細りしていくだけと思っています。