新規織物の試作を行うときのコストについて ②

基本的に通常織物よりも割高

経糸が何かの定番品と共通、筬も共通なら話は変わりますが、経糸の規格が定番品と何も被らない場合は基本的には割高になります。
これを資材織物の観点から解説してみたいと思います。今回は経通し段階編になります。

経通し準備を行う

試作用のビームが出来上がったら、必要な部品を揃えていきます。
ドロッパー、ドロッパーバー、ヘルド、ヘルドロッド、筬を揃えます。

ドロッパー

一枚5円前後くらいになります。 これを糸本数分だけ揃えます。
ざっくり糸本数が3000本としたら15000円になりますね。
ちなみにドロッパーの厚みや種類によっても金額が異なります。

ドロッパーバー

何本使用するかによりますが・・・織物組織と密度によってつかいわけます。
このバーの長さによって金額が異なるので、大体1本1万~2万くらいの間、と思ってもらえればいいと思います。
最低2本は使いますので、ざっくり3万以上と思ってもらえればいいかと思います。

ヘルド

一本13円前後くらいします。 これを糸本数分だけ揃えます。
3000本の場合は39000円になりますね。
これもヘルドの高さや種類によっても金額が異なります。仕入先によってもですね。

ヘルドロッド

使用枠数×2本必要になります。一本1000円~くらいな感じなります。
仮に枠枚数を4枚使うとしたら8本必要になります。金額的には8000円くらいになります。
これも長さによって金額が異なります。

大体7万円くらいと思ってください。
筬の密度と大きさによって値段が異なります。
おそらくエアージェット以外の筬はもうちょっと安いとは思います。
エアージェットの筬は特殊な形状をしています。ちなみに最新形状のereedになると通常筬にプラス1万くらいになります。

経通しを依頼する

この部分は産地によっても異なるみたいです。弊社のところでは一本1円以下だったので驚かれました。
他の産地を参考にすると、2円~3円くらいが妥当なところなのでしょうか?
3000本だとすると6000円~9000円といったところでしょうか。ちなみに運搬コストは別途ですよ。

経通し準備段階でもこれだけかかる

ここだけでも15~16万のお金がかかっています。
もちろん、部品の使い回しとかするので完全にかかるわけではないです。
ですが、それをあてにされるときついですね。
試作なので、先方も儲かるわけではないとわかっています。が、コストは「適性」に分かち合うくらいの気持ちを見せていただきたいです。