緯ミス糸自動処理装置(TAPO)とは
これは緯糸が正常な姿勢でヨコに入り切らず、右側のフィーラーが、よこミス(ループ、短尺、ちぢれ)を検出した際に作動し、
自動的に緯ミス糸を除去し、再稼働する装置になります。
この装置ができた背景
元々は止め段がちょっと時間が経つと出てしまうような織物に対して、すぐに織機を動かすために生まれたそうです。
動作フローチャート
通常動作と異なるポイント
ミスを検知したときに電磁カッターが動かない
電磁カッターが動かないため、メインノズルから糸は出っぱなしの状態になります。
EDPが1ピック分糸を放出する
糸をこの装置に吸わせるために余分に糸を放出します。
緯ミス糸を自動処理する
自動処理が正常に行った後、自動で運転を始めます。
メリットとデメリット
メリット① 緯ミス糸を自動処理してくれるため、人手がかからなくなる
全ての緯ミスに対してではないですが、8割近い緯ミスの原因に対して処理をしてくれます。
メリット② 長時間放置すると止め段が発生するものに関して有効
どうしてもすぐに対応できないときもあるため、不良が出る確率は下がります。
デメリット① 頻繁に動作していると生産性は落ちる
処理し切るまでの時間は織物の規格にもよりますが、大体30秒から1分くらいでしょうか。
仮に1分とした場合、2分毎に処理装置が動いていたら稼働率は66%にしかなりません。
少なくとも4分に1回くらいでしょうか。そうすれば理論上の稼働率は80%になります。
デメリット② センサー部分が破損しやすい
わりとすぐに曲がってしまいます。昔に比べればマシになった・・・のかな?
センサーが誤検知することはよくあったように思います。
結論
有効であると思います。
ただ、取り付け金額は高いです。
あと、定期的なチェックができていないと無駄になる場合が多いかもしれません。
ゴミが溜まりやすく、センサ部分が曲がりやすいからです。
ちなみにしっかりと織機を調整できればいらない装置と思います。
ただ、調整にかける時間、調整できるようになるまでの教育時間や経験のことを考えると必要なのかもしれません。