延伸加工 ヒートセットについて

ヒートセットとは

一般的なヒートセットの利用効果

利用特性 使用効果
寸法安定性 残留収縮防止、洗濯収縮防止、アイロン収縮防止、伸び防止
巾固定、ストレッチ性安定
形態安定性 型崩れ防止、型付け、プリーツ加工、
しわ発生防止、しわ伸ばし
組織の安定性 目づれ防止、ほつれ防止
風合いの固定性 防しわ性向上、剛軟度付与、厚さ固定、風合い感触の変更

 

上記の利用特性の中で、弊社が特に重視しているのは寸法安定性となっています。
またヒートセットとは基本的には合繊用の加工になります。綿などは対象外になります。

寸法安定性の特徴

次のような特徴を持っています。
弊社の加工機に合わせて、説明しています。

①一度セットされた織物はそのセットされた温度以下では変化しない。
②引っ張り張力によって、寸法安定性へのセット効果は異なる。一般的に高い張力の方がセット効果は高い。
③セット温度が高いほど収縮は少なく、安定である。

ポリエステルの処理時間

一般的によく使われるポリエステルについてですが、160℃以上であれば大体30秒で収縮率が平衡に達します。
それ以下の温度の場合は、条件にもよりますが、平衡に達するまでに時間がかかってしまいます。

加工速度について

上記の条件から弊社の延伸加工ではライン速度が大体10~15m/minくらいが適当な加工速度になります。
もちろん、織物の厚みや密度、材質や引っ張り張力によってこの条件は変わるので、あくまで目安的な感じです。
ものすごく厚みのあるものだと3~5m/minしか出せないときもあります。

参考文献

合成繊維のヒートセットに要する物理的条件