保存タンクの加熱用蒸気パイプに糊フィルムが堆積する
堆積すると何が問題となるか
1.熱伝導が悪くなる
パイプに蒸気を通し、その熱伝導によって糊液を加熱します。パイプと糊液の間に熱伝導が悪い物体があると、昇温どころか保温も難しくなってしまいます。
2.糸切れの原因になる
堆積物が剥がれて、サイズボックスの中に混入したときに糸を切ってしまうことがあります。
3.配管が詰まる
これが一番問題かもしれません。配管が詰まってしまうとサイジングができなくなってしまうので問題になります。
保存タンクの役割とは
基本的に高温(80℃以上)のまま保存槽で長時間糊液を保存する事自体があまりありません。
保存槽はタンク周囲を断熱材で保温を助けるようになっており、数時間以内で使い切る場合は間接加熱で温度を保つ場合があります。
しかし、長時間保存しなければならい時は加熱せず撹拌は低速で回したままリターンタンクなどで放置し、
再使用時にミキシングタンクなどで再加熱&濃度調整して糊液を使用する事が多いです。
解決策は?
1.保存槽の保存温度をもう少し低めに設定する65~70℃位(?)
保存タンクの温度を下げるとサイズボックスで直接蒸気で再昇温される時に蒸気ドレンで薄まるので、屈折糖度計などを用いてサイズボックスの糊液濃度を標準に保つように注意する必要があります。
2.保温用のタンク内パイプに導入されている蒸気の圧力を下げ、パイプ自体の温度が高くなり過ぎないようにする。
3.保存タンクを頻繁に洗浄する。
4.保温方式をパイプに蒸気を入れて加熱する方式から、直接蒸気を吹き込む方式に変更する。
蒸気で保温・昇温される時に蒸気ドレンで薄まるので、屈折糖度計などを用いて糊液濃度を標準に保つように注意する必要があります。
4に関しては実績ベースとしての話になっています。
パイプに蒸気を入れてから加熱する方式と直接蒸気を吹き入れる方式との比較から別の解決策が見つかるかもしれませんが、現状は上の4つが解決策になると思います。