レーヨン糸のサイジング 1サイズボックスと2サイズボックス比較

レーヨン糸の特徴(サイジングにおける)

サイジングするときのストレッチが非常に高く設定する必要のある糸。
綿やポリエステルだと1~2%で設定する場合が多いが、レーヨンは4~5%近くもストレッチします。
近年では2%くらいとする文献もあるようですが、昔の文献だと大体5%前後くらいとされていました。
ちなみにその文献とは「経糸糊付けについて、武藤昭三」から引用されているのですが、ネット上からでは見つかりませんでした・・・

レーヨン糸の問題点とは

これだけストレッチをかけるので、2サイズボックスでサイジングする場合、経路によるストレッチ管理の差が出てしまうのでは、という懸念がありました。
昔のサイジングでよく話に上がるのが、ストレッチ差や糊付きの差が出て、織物が変になるという話がありました。
例えば、縞模様のようになってしまったり、開口不良になってしまったりということがあったそうです。(見たわけではありません)

実際に比較してみた

昔のサイザーよりもテンションコントロールがしっかりしている(ハズ)なので、実際にサイジングしてみました。
結果は・・・違いはありませんでした。織物の表面をみても縞模様のようになっていませんでしたし、お客さんからクレームも上がっていません。
製織性についても差はありませんでした。
これはS-12が2サイズでサイジングしたレーヨン糸を使った織物がかかっている織機の稼働率です。
S-15が1サイズでサイジングしたレーヨン糸を使った織物がかかっている織機の稼働率です。
ほぼ差はないと考えていいと思います。

問題はなかったが・・・

現行のサイザーは経路が簡素で差がでにくい、かつ、オールシリンダー乾燥なので乾燥の仕方も一様です。
昔のサイザーは経路が複雑な場合が多く、かつ、ホットエアー乾燥の場合、糸がぶれてしまうため乾燥の仕方が一様にならない場合もあります。
あくまで弊社では問題にならなかった、ということです。