サイジング オープンスペースの重要性と運用について

オープンスペースとは

まだまだ技術的な知見が足りてない部分ではありますが、今の弊社の基準を記載します。
サイジングの糊をつけるときに糊箱に糸を入れ、その後ローラで絞ります。
このローラで絞るときの糸同士の間隔をオープンスペースと呼びます。

オープンスペースがサイジングに及ぼすとされている影響

このオープンスペースが重要で、諸説あるのですが、大体45~40%を下回り始めると次のような症状が起こるといわれています。

① 糸が重なり合い、糊の絞り斑、付着斑が起こる。
② 糊付きが悪くなるため、糊濃度を上げる必要があるが、その結果粘度が上がり、糊の浸透が悪くなる
③ 糸同士の付着が起こりやすいため、デバイド抵抗が増し、毛羽、糸切れ、糊落が多くなる。

では逆にオープンスペースが大きいほどいい糊付けができるのか?ということですが、大きすぎても(大体70%超え?)次のような弊害が生まれます。

① 糸がシリンダ上でローリングする可能性がある。特にコンパクト糸は起こりやすい。
② 糸シートが綺麗にそろいづらい。そのため、付着斑、絞り斑につながることがある。

運用に適したオープンスペースとは

以上の観点から通常のスパン糸は55~65%狙いで、ローリングが気になるものは50~60%狙いが妥当ではないでしょうか。
糸太さによっても変わります。設備によっても異なることが予想されるのであくまで参考値とさせてください。
基本的には太い方がローリングが起こりづらいと考えています。
それを踏まえ、1サイズにするのか、2サイズにするのかを決定します。
2サイズにしてもオープンスペースが困るようなものに関しては、サイズボックスからシート分割してさらに乾燥時のオープンスペースを増やすのが適当だと思います。
(古いサイザーの場合はサイズボックス後に分割できなかったり、1サイズしないところもありますが)
ただ、なるべくオープンスペースは広く取りたいです。というのも、基本的にはオープンスペースが広いほうがデバイド抵抗は低くなるため、毛羽は少なくなり、デバイドロッドで切れる可能性は減るからです。

蛇足ですが、糊付け品質が悪い業者いると言うのをひと昔前には聞きましたが、糊が問題ない場合、おそらく規格がそのサイザーにあっていないのでは?と今では思います。

参考文献

エ ア ジ ェ ッ トル ー ム用 糊 付 に関 す る2,3の 考 察